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田野ユタカのLIVE後記-104

田野ユタカ LIVE '25 長月
“あの歌が聞きたい♪”


2025年9月20日(土)


出演:田野ユタカ with Jose有海
OA:まつむらあきひろ
Guest:津山さゆり



  【本LIVEまでの活動】

  吉祥寺の老舗LIVE House“曼荼羅”で歌うようになってから
  今回で暦が一回りする感じですかね。
  夏場は循環器系の疾患がある者には厳しい季節。加えてこの猛暑でした。
  それでも昨年から構想した素晴らしい歌姫達への曲提供が一区切りつく所まで来ました。

  思えば昨年、編曲家の西村幸輔氏がご逝去されて、曲の提供計画は大きく狂いました。
  元歌のアレンジのkey違いとか、深野さんの仮デモ音源にあるアレンジイメージの体現とか、
  眠っていたお祭り演歌の元歌音源も、全て業界の演歌の大御所のアレンジも手掛ける西村さんに
  相談しながら進めていた経緯があったんです。そして同氏に託す筈だった。

  そこから辿った紆余曲折はちょっと辛くて長かったです。「西村さ~ん 涙」
  Jose有海に相談するも受け切れない。暗礁に乗り上げたまま時間だけが過ぎて行きました。
  でも人脈って有り難い!以前のAlbum発売LIVE時に「アレンジあったら自分にも振って下さいよ」
  と言ってくていた人物を思い出した。救世主登場か~♪
  この窮地を救ってくれたのは何とBand LIVEでお馴染みのきょん小川こと小川清邦さんでした。
  彼が受けてくれた事で、自ら招いた八方塞がり状態は急ピッチで解消し始め、
  この夏、ミッションをコンプリート出来ました。その小川清邦さんも今日は客席に。久し振り♪


  【二人の歌姫】

  田野の作った歌を、田野の引退後も歌い紡いでくれるだろう二人の歌姫。

  一人は御存知の橘和希さん。3月の復活LIVEで2曲のバラードを書き下ろし、既存曲からも競作曲1曲を提供。
  5月の田野LIVEではゲストとしてこの3曲を歌ってくれました。
  書き下ろしたバラード曲は「私の道がそこにあるなら」「貴方の笑顔に逢いたい」。
  そして紺野あずさ先生作詞、岡千秋先生作曲の名曲「おりょうの恋」を軸にこれからも歌って行きたいとの事。
  坂本龍馬の故郷である土佐の高知は毎夏四万十川に通い、よさこい祭りも経験した馴染みの深い場所なので、
  「高知でのものも」というお祭り演歌を提供していましたが、龍馬と女房のおりょうさんの出会った舞台は京都。
  龍馬の出身地の高知だけでなく、二人の物語を紡いでいくなら物語の中枢展開の地「京都」は外せない気がします。
  この夏「京都・神楽岡坂」を橘和希さんのKeyでアレンジし直し、加藤さんの太陽倶楽部で歌入れをしました。
  今後は営業仕事等にこの音源とオケを持って廻れば、セットリスト組み立て上や地元ラジオへの突発出演時にも
  かなり幅と余裕が作れると思います。評判も良いし次の新曲リリース機会には有力候補となってくれるでしょう。

  もう一人は先輩サスケさんのご縁でつながった今回のゲストでもある津山さゆりさん。
  津山さゆりさんも演歌の方だが、ロック、ブルース、バラード、ボサノバ等にも果敢に挑戦していて、
  デビュー25周年に当たる今年の9月の誕生日に、演歌を封印した新Albumを作りたいとの構想があり、
  田野LIVEに足を運んで様々な歌を聴いた上で、曲の提供を依頼されたのが丁度1年前でした。
  田野と競作にはなるものの、彼女は田野の既存曲を十数曲聞き込んで3曲を歌いたいと選んで来ました。
  「月の灯かり」「芝居仕掛」「だけど瞳は空を見ている」。中々味のある選曲…個性ある3曲を見事に歌いこなし、
  今年の9/13の自らの誕生日にこの3曲も収録した新しいAlbumを完成させ、無事に発売されました。
  更に新曲リリースを目指し、諸々の経緯で眠っていた田野のお祭り演歌「豊漁夢祈願」も歌入れし、
  やはり営業時に音源とオケを携えて行けるように環境を整えました。レコーディングは勿論加藤さんの所。

  5月のLIVEでは橘和希さんを。
  そして今回のLIVEでは津山さゆりさんをゲストにお迎えし、皆さんに紹介させて戴きました。


  【LIVE一部】

  OAのまつむらあきひろさんもかなり皆さんにお馴染みになって来てくれました。
  選曲も工夫してマンネリを避けつつ、らしさを発信してくれています。
  お馴染みの「秘密基地」に加えて「帰り道」を今回はセレクト。
  アンケート等にも好反応があり、彼の引き出しを徐々に垣間見せてくれます。
  曼荼羅の姉妹店でキャパ100人の「スターパインズカフェ」にはBandで出演しているまつむら氏。
  応援してあげて下さいね♪

  田野の甥っ子でもあるまつむら氏に無茶振りをして、
  彼がブルースハープを吹く「ブルース色の雨に濡れてる」から田野LIVEはスタート。
  甥っ子との共演は照れ臭くもやはり何か嬉しいね。

  暫しソロで。夏の終わりの定番曲「夏色のドレスで」をしっとりと、しっかりと。
  昨年作った「星祭り」をここで挟み、亡き友に捧ぐ「啼けない狼」と紡ぎました。

  ここでJose有海が合流し、深野義和さんへの応援歌であり、
  本日のLIVEテーマ曲でもある「あの歌が聞きたい」を初めて二人で奏でます。
  歌詞中に出て来る深野さんの曲「渚のレナ」でデビューした仲川尚志さん(from 新潟)も客席に。

  次いで津山さんのAlbumにも収録された「月の灯かり」を、そのレコ発祝いも兼ねて田野が熱唱。
  この歌を作った頃は「満月の夜」「赤い月の夜」と書き上げ“月光三部曲”だったのですが、
  お客様がこの曲の持つ魔性とでもいうものの琴線に触れ、ご支持戴く中で育っていった曲。
  西村幸輔さんのアレンジで4枚目のAlbumにも収録し、お客様個々が世界観を持つ曲。
  だから田野のLIVEではどうしても田野が歌うのがお客様への筋のように思いました。

  でも津山さゆりさんの歌は絶品。だから提供しました。ここでゲストの津山さゆりさん登場。
  田野のAlbumには収録されていない、昭和青春歌謡とでも呼ぶべき「だけど瞳は空を見ている」は、
  深野さんと冗談で話してて出来た曲。実は深野さんが作ってくれた簡易アレンジの音源があるのだ。
  それを聞いてピンと来てくれたのが津山さゆりさん。そしてこの曲は彼女に似合う。案の定だった。
  小川清邦さんが、深野さんのアレンジ意図をしっかり汲み取ってご機嫌なアレンジを施してくれた。

  更には西村さんの所で下手なギターだけのデモを録り、それを聞いて歌いたいと申し出てくれた
  津山さゆりさんの歌唱でお披露目した
「豊漁夢祈願」。大晦日の夜に聞きたい(笑)お祭り演歌です。
  田野がLIVEで歌う事のない、正真正銘津山さゆりしか歌わない、津山さゆりでないと聞けない曲。
  田野のLIVEのゲストで本邦初公開となった新曲。歌唱力圧巻でしたね♪目指すか、紅白♪



  【LIVE二部】

  二部はJose有海とお馴染みの曲から新曲も網羅したラインナップで軽快に重厚に華麗に・・・
  の予定でしたが、LIVEにお越し戴い方々には本当に申し訳ありませんでした。見て戴いた通りです。
  お代を頂戴していながらあってはならないお見苦しさ、お聞き苦しさが多々ありました件、
  主催者としてお詫び申し上げます。

  ここでは曲に絞って振り返りますね。

  「瞼に夏を焼きつけて」
   夏の終わりの定番曲。(加山雄三+GS)÷2で作った曲でしたね。

  「想い出が重たすぎて」
   やはり夏の終わりに欠かさない曲。沖縄と湘南と南伊豆がイメージごちゃ混ぜ(笑)な曲。

  「Dear Mermaid」
   派手さは無いのに、歌えば歌うほど好きになっていった曲。
   お客様も聞き込めば聞き込むほど入って来る曲に育ってくれました。
   
  「Kの夏」
   アップテンポな曲調を続け、「Dear Mermaid」で少し落ち着いたところでこのバラードを。
   抑揚あるラインナップを意識しての曲順ですが、それも田野の好みでしかないですけどね(笑)。

  「十二単」
   祈るような思いで歌っていました。PAの方の機転に感謝します。

  「芝居仕掛」
   津山さゆりさんのAlbumにも入った曲。
   やはり田野のLIVEでは田野が歌いますので、よかったら後日是非聞き比べてみて下さい。
   女性ヴォーカルのこの曲も味変があって別物になっていて、中々格好いいです。

  「オブラート」
   大して巧くはないが、田野の奏でるギターを聴いてくれ。田野の精一杯のシャウトを聴いてくれ。
   この頃には周囲の出来事には翻弄されず、田野ワールドにどっぷり浸かって前へ進みます。

  「あの日の少年」~New~
   今回の新曲でした♪
   リハーサルは活かされなかったけれど、俺も有海もこの歳までやらせてくれて本当にありがとう。
   あの日夢を見始めた少年の、これが夢のカタチ。ここまで夢中でやって来た時間達の全てが夢でした。
   時に笑い合い、時に怒りに震え、時に涙しながら…お客様と一緒に歳を重ねさせて戴いた歳月に感謝。


  ~アンコール~

  「CANVAS TOP」
   超久し振りになってしまいましたね。
   お~い、起きたか有海?行け、Joseっち!間奏2回廻すぞ!
   互いに歳をとったのは仕方ない。でもみっともなくても構わない!
   あのギターの片鱗を少しでも聴かせてくれ!シャウトのハモりを決めてくれ!
   祈る思いだ。サングラスの下で涙が止まらない。

  「Studio R/D」
    OAのまつむらさん、ゲストの津山さんにも入って貰い、
    「大人の顔をした少年少女」の一人であった小川清邦さん、仲川尚志さんもいる客席と共に、
   最後は一体になって大合唱でLIVE終焉です♪ありがとうございました。


  【客席】

  今回も満員のお客様。この日は何と言ってもきょん小川こと小川清邦さんのご来場が嬉しかった。
  ハプニング塗れのLIVEにあって彼が
  「田野さんボーカルは声も出てたしピッチもよかったし、熱演はお客様に伝わりますよ」
  のような事を言ってくれた。救われたよ。一回りも年下の後輩の励ましが沁みた。
  今も立派にプロとしてやっている彼。今回はアレンジ等で本当にお世話になったが、
  久し振りに彼のベースでBandのLIVEがやってみたくなる。俺にその力は残っているんだろうか。

  深野さんの名曲"渚のレナ"を歌う仲川尚志さんが遥々新潟からのご来場も嬉しかった。
  彼も病気をして、身体しんどかった筈なのに、行ける内に行っとかないと後悔するからと
  そんな事を感じさせない立ち居振る舞いが格好いいよ、尚志!MCの振りの切り返しもGood!

  愛知からはもうお馴染みのO野さん。彼女も色々乗り越えようと元気を貰いに来てくれた一人。
  気持ちの良いハーモニーを聴かせて帰してあげたかったな。

  初めてのお客様が5名様。内3名は学生時代の旧友の40数年ぶりの田野LIVE鑑賞だった。
  いいとこ見せたかったけど、まぁコケも含めて田野です。あの頃と何も成長してないね(笑)。
  妙に照れ臭いけど来てくれてありがとうね。


  【アンケート】

  終演後のわちゃわちゃで回収率は過去最低だったかも(笑)
  でもまつむらあきひろの「帰り道」に反応してくれた方もいました。
  「夏色のドレスで」「あの歌が聞きたい」「月の灯かり」「Dear Mermaid」「Kの夏」「オブラート」等が
  ご支持戴けました。。
  そしてゲストの津山さゆりさんは、歌はもちろん
  そのお人柄がお客様に好感を持って受け入れられていましたね。
  「早速フォローします」とか「ステージに花が咲きます」等のコメントも戴きました♪
  橘和希さん同様に津山さゆりさんも宜しくお願い致します。
  田野の作った曲をこの先も歌い紡いで行ってくれる二人です。


  【所感】

  今回のLIVEに来れなかった方々には???だと思いますが、
  このステ-ジをもって長く苦楽を共にした田野ユタカ with Jose有海 はユニットを解消し、
  田野LIVEからはJose有海は引退します。LIVEの真っ最中に決めました。

  もうそう長くは歌えないから、猛暑の夏に時間を掛けて入念に準備をして臨んだLIVE。
  「動じずに歌い切ってくれた事に感動しました」
  「LIVEとしては熱くて私的には良かったんです」等々
  終演後に随分と励ましのメッセージも頂戴しました。でもやはり悔しいです。

  田野もJose有海氏も年齢的な衰えは努力では補え切れない部分もあります。
  同年代だから潮時も同じような頃合いかなと、どこかで思い込んでいたのもあります。
  でもこれまでの貯金だけでLIVEをやれば、お客様からは下降線に見えるもの。
  だから田野は、作ってももう歌う機会が無いかもしれない新曲達を作り続けています。
  LIVE毎に必ず新しい曲が並んでいる事。それを公言し、有言実行へ自分を追い込む事で、
  気力、体力、技術の限界を補っていたかも。ただ限界はやはり人其々なところがあります。
  田野のLIVEはハモりパートも高いし、曲のフレーズはJoseの全盛期にアレンジされたもの。
  自分も含めて多少Key下げしていましたが、兆候はずっと前からあった。お客様は気づいていた筈。
  無理させてるな、限界なのかなと、早くに気づいてあげられたらよかったのか。
  少しでも音楽で稼げたらと、今から思えば余計なお世話を随分していたのかもしれない。

  unitを解消して田野は残りの音楽人生をギター1本で全うする。
  そう決めた後、気持ちがとても楽になりました。相方に出来る事は精一杯やった。
  受けた恩は大きいが、お釣りが来るほどに返してもいる自負もある。
  穏やかなメンタルが一瞬戻った・・・と思ったら、今度は怒涛の寂しさが押し寄せて来ました。

  彼とは、Jose有海氏とは、本当にあまりにも長く、ぶつかりながらも一緒にやって来た。
  自分が辛い時、彼が辛い時、互いに何も言わずに訊かずに黙々とリハをこなしながら、
  様々な場所でLIVEをこなした。彼が一緒だったので、どんな舞台も怖れずに挑めた。
  Album作りのアレンジも多くを委ね、深野さん交えて酒も飲み、ずっとやって来たんです。

  特に初期の頃、こんなに凄いギタリストが自分のサポートでLIVEに出てくれるんだと感激し、
  曲の取りまとめでは彼の意見やアドバイスで曲がどんどん進化していったものです。
  彼がいてくれたから成長できた自分が間違いなくある。影響も受けている。
  長くやれている音楽活動。前半より後半のが長くなりすぎてしまっただけかもしれない。

  お客様には申し訳なかったですが、やはり最後は感謝しなければと思ってしまう田野です。
  有海治雄さん。ありがとう。長い間本当にお疲れ様でした。
  あんたのギターが最高なのは俺が一番よく知ってるぜ!俺の中では永遠にNo.1のギタリストだよ♪


                                       田野ユタカ